恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ
ホテルにあったテレビを点けっぱなしで寝ていて午前4時ぐらいに目が覚めた時にやっていた映画。女優さんがとても綺麗でついついずっと見てた。あんな美人だったらどれだけ有名な人なのかと思ったけど、ミシェル・ファイファーって、よく知らない。
映画の内容は特にどうということもなく。
お呼びのかかるラウンジの格の下落と、客層の質の低下を嘆くピアニスト兄弟が、女性ボーカリストを迎え入れることを決意した。オーディションした結果、ある蓮っ葉な女が選出された。女は、歌は上手いがショービジネスについては何も知らない。初日から衣装・靴の選び直しをするはめになるが、だんだんとこの三人は人気を博してくる。次第に発言力を増す女と、明らかに彼女に惹かれている弟。結託し天狗になった二人は「『フィーリング』は陳腐だから嫌だ」と言い、マネジメント担当の兄は「でもウケルからやったほうがいい」と意見がズレてくる。そして女にヘッドハンティングがかかってユニットを離れ、兄弟は再び二人でのステージ仕事を探し始めるが……。
弟の方が派手な天才肌という感じで兄が地味なマネジメント担当。似てない兄弟という感じだったけど、本物の兄弟が共演していたと読んでびっくり。
私はこのあらすじでいうところの初日が終わった辺りから観始めたので、なんか短い間にくっついたり離れたりで、あまり息の長い恋愛につながりそうな感じはしなかった。
でもショーで廻る高級ホテルとか、弟の住む都会のアパートとか、兄の住む郊外の住宅とか、画面が切り替わるごとに映るどの風景も、それぞれ画面で見ただけでそこで暮らす空気に取り巻かれる感じで、それがとてもよかった。
身勝手な弟がご近所の女の子(最初は彼の娘だと思ってた)に八つ当たりして後で謝りに行った時の屋上の空気感が好き。でもあの女の子の、周りの大人が好きなように恋愛模様を展開させつつ気まぐれに子供向けの顔を見せるという状況に馴れきった様子の、根深い孤独感が心に刺さる。